ファイナンシャルプランナーの東京FP:FPセンス・FPマインド第142回

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第142回「エコカー」

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エコカーには幾つかの種類がありますけど、そのうちのハイブリッドカーの経済効率はどうなんだろう、即ち、本当に相当の効果があるのか、あるとしてどの位の効果があるのか、が気になっていました。

そのような時、たまたまハイブリッドカーのタクシーに乗ったものですから、運転手さんに色んな点から質問し、次のように基礎数値は極めてアバウトですけど経済的側面から計算してみましたら、イメージしていたよりも相当に効果があるとの結論になりました。

【条件】

  • ハイブリッドカーの購入費は通常のタクシー用の車の購入費と概ね同じ位の250万円/台位だそうです(車種によっては若干の差は生じるけど)(尚ここでは、ハイブリッドカーとタクシー仕様車と呼ぶこととします)。
  • 都内のタクシー仕様車はLPガス(1ℓ80円とします)1ℓで約5〜6km走行するそうですので、ここでは5.5km/ℓとします。対してハイブリッドカーはガソリン1ℓで(1ℓ120円とします)約18km走行するそうですから、18km/ℓとします。また、ハイブリッドカーにもLPガス仕様車があるそうですが、ここではガソリン仕様車のケースで比較計算します。
    尚、ハイブリッドカーにおけるリチウムイオン電池は、ガソリンエンジンの回転に伴い自動的に充電されるので、充電コストが別途かかるということはないとのことでした。
  • 東京のタクシーは概ね5年、50万km走行を目安にして取り替えるそうですので、ここでは2つの車共に5年間で50万km走行する(した)ものとして計算します(ハイブリッドカーは未だ3年の実績しかないので、5年間、50万km問題なく使用継続できるのか分からないそうですが、今のところ3年実績で特に問題はないそうですので、問題なしとして計算します)。
  • 使用途上での修繕費や5年後の売却価額(廃車を含めて)には差が出るものと思います。例えば、リチウムイオン電池の耐久性等の現時点では判断するに実績不足から未知の部分もあります。しかしここでは修繕費も使用済後の売却価額も同じ(同額)程度であったとし、経済計算上はニュートラルとします(質問に応じてくれた運転手さんによると、自分の感覚ではコストは燃料費以外にはほとんど差はないような気がしている、とのことでした。加えて、コスト以外の差として、ハイブリッドカーの方が静かなものですから、歩行者で車に気付いてくれない人が多く、神経を使う、また、目の不自由な人は音が余り聞こえないので逆に困るらしい、と教えてくれました。)。
  • 1,500ccのハイブリッドカーの場合は、発進力等は2,000ccのタクシー仕様車よりも高いそうです。この点とか、運転し易さとか、顧客選好度とか検討にあたって折り込むべき差は他にいくつもあると思いますがここではこれらについても差はなく同一とします。

【経済性の比較計算】

[1]50万km走行するに要するタクシー仕様車のLPガス代
50万km÷5.5km×80円=7,272,727円
[2]同50万km走行するに要するハイブリッドカーのガソリン代
50万km÷18km×120円=3,333,333円
[3]50万km走行の場合におけるハイブリッドカーの燃料費節約額([2]−[1])
7,272,727円−3,333,333円=3,939,394円

燃料消費量と燃料費単価以外の要素は全て同じとの条件のもとの極めてシンプル化した経済比較ですけど、ハイブリッドカーの方が現在のタクシー仕様車に比べて5年間で400万円近くも(新車購入代の1.57台分に相当)燃料費が安い、という結果になりました。

上記のような差になったのは、東京のタクシーは1日に300kmくらい走行する、そして年間稼働日数も300日以上ある、故に燃費性能が良ければ良い程節約額は大きくなる、という、単純な理由によります。でありますから1日の走行距離の短い地方のタクシーでは、当然ですけどこのように大きな差は生じず、ために車の購入価額がどちらを選ぶかの意思決定上最も重要な要素になるであろうと考えられます。対して東京のタクシーの場合は燃費効率が極めて重要な購入意思決定の要素になります。その結果として多分、近い将来ハイブリッドカーへの転換が大きな流れになる可能性が高い、そんな気がします(それとも一気に電気自動車でしょうか)。

私事で恐縮ですけど私の車は昨年9月で購入して10年になったものですから、買い替えの検討をし買い換えるとすればハイブリッド車かな、と考えたのですが、10年経ってはいるものの、乗るのに全く不都合はないこと、及び、私の車のように1年にせいぜい2,000kmしか乗らない場合には、燃料の節約効果はほとんどない、即ち、燃費経済計算をしても仕方がない、それどころか使える車を廃車にして新品を買う場合には新車の製造に伴い発生するCO2の問題があることから、即ち、ガソリン消費が減ることに伴うCO2削減効果より、製造に伴うCO2発生影響の方が大きかろうと思われますので、CO2問題の点から後数年は買い換えるべきではなかろう、という結果に至り、結局もうしばらく今の愛車を使うことに決めました。

実は買い換えないと決めたもう1つの理由があります。というのは、娘が免許取立てで時々あっちこっちぶつけるようでして、横も後もペコッとへこんだ後をつけてくれるものですから、娘が運転に慣れるまでは新車はもったいない、新車に、ペコペコと窪みを作られたんではかなわん、故に娘が運転に慣れるそれまでの間の1〜2年は今のままでいこう(1〜2年で済むかどうかは分からない)、こうなりました。意思決定の主要因はこれだったと言った方が正直かもしれません。

(株)東京ファイナンシャルプランナーズ
代表取締役会長 山田 淳一郎
(公認会計士・税理士・FP)