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相続と贈与/チェックポイント

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1.相続税のかかる人は少ない

相続税は一定の金額を超える財産を残して亡くなった場合にかかる税金です。では相続税のかかる人はどのくらいいるかというと、100人のうち約5人。つまり100人のうち95人は相続税がかからないことになります。

(1)一定の金額とは「相続税の基礎控除」

相続財産をもらってもここまでの金額だったら相続税がかからない、これを相続税の基礎控除といいます。相続税の基礎控除は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」で計算します。つまり、法定相続人の数によって違います。たとえば法定相続人が妻と子ども2人の場合は「5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円」、つまり相続財産が8,000万円までなら相続税はかかりません。

(2)相続税の基礎控除を超えても相続税がかからないケースも

亡くなったかた(=被相続人)が家族と住んでいた土地や建物、事業に使っていた土地や建物も、もちろん相続税の対象になりますが、今後も家族が住めるよう事業が継続できるよう、それらの相続財産の評価において時価より低くする特例(小規模宅地等の評価減の特例)があります。

たとえば配偶者が引き続き住むという場合は、自宅敷地のうち240m2までの部分については8割引の2割で評価します。したがって、相続財産の時価を合計したら相続税の基礎控除の額を超えた!というときでも、この特例適用後の財産評価額が基礎控除以下になったら、相続税はかかりません(ただし、特例を受けるための申告は必要です)。

けっこう財産をもっているようでも、相続税のかかる人は意外に少ないのです。


2.相続税がかからなくても申告をしなければならない人がいる!

相続税がかからない人はすべて相続税の申告は不要?いいえ、そうとはかぎりません。申告しなくてもいいのは、財産の時価を合計しても相続税の基礎控除以下の人だけ。時価ベースでの合計額は基礎控除を超えたが、自宅土地が8割引になる特例を受けたら基礎控除以下になったという人は申告が必要です。

また、「相続時精算課税制度」を選択して贈与を受けていた場合は、「相続時に精算」するわけですから、申告が必要になります(新制度による贈与財産と相続財産を加算した額が相続税の基礎控除を超える場合)。もし、すでに支払った贈与税のほうが相続税より多ければ、還付を受けることができます。


3.贈与税の特例を活用するときには注意!

贈与を受けても、相続時精算課税制度を選択しない場合で、贈与税の基礎控除(年間110万円)以下なら申告の必要はありません。でも、「配偶者から自宅の一部を贈与された人」は、特例の適用を受けた結果たとえ贈与税がゼロであっても、贈与税の申告をしなければなりません。申告してはじめて、特例の適用を受けることができます。また、自宅の一部を贈与された配偶者には不動産取得税、登録免許税がかかりますので、これらのコストを考慮して贈与を行うことが大切です。

なお、「相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた人」は、贈与税がゼロであっても贈与税の申告をしなければなりません。その申告の記録を基にして、贈与した人が亡くなったときに相続税の計算が行われます。


4.贈与をするときの留意点

贈与は一方的な行為ではなく、贈与をする人の「あげる」意思と贈与を受ける人の「もらう」意思があって成り立つものです。贈与の実行には、以下の点を注意しましょう。

(1)贈与の事実を明確に

お金を贈与するときは、「あげる人」の口座から「もらう人」の口座へ振り込みます。そのほか贈与事実をあらわすためには、贈与の際に贈与契約書を作ること、年間110万円を超える額を贈与して贈与税の申告をし贈与税を納める方法も有効な方法です。

(2)贈与された財産の管理は「もらった人」が行う

「もらった人」は「もらったお金」が入金された通帳や印鑑を自分で保管し、いつでも自由に使えるようにしておきましょう。もし贈与とは名ばかりで、実質的な所有者は「あげた(はずの)父」という場合は、名義は子どもだが実質所有者は父、すなわち父の相続財産に含まれます。


5.遺言作成はここに気をつけよう

遺言の方式にはいろいろありますが、最も手軽に作成できるのは「自筆証書遺言」です。これは自分1人で遺言の文章を書き、日付を入れ氏名を自署して押印します。書式は自由ですが、必ず全部自分で書かなければ無効になります。日付もきちんと○○年○月○日と明確に書き、「○月吉日」というように特定できない場合は無効です。また、どんなに仲のいい夫婦であっても、夫婦2人で作成した遺言は無効です。

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この項の著者:倉長惠子(2004年2月掲載・2006年12月改訂)
(株)東京ファイナンシャルプランナーズ CFP®認定者

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