2.社会保険料・住民税
在職中は勤務先が手続をしてくれる社会保険や住民税も、退職後は自分で手続し保険料を負担しなければなりません。また、住民税はその年の所得に対してかかる分を翌年に納めるので、退職した翌年に収入がなくても納めなければなりません。これらの資金を確保しておく必要があります。
(1)社会保険
日本では、対象となる国民全員が公的医療保険・公的介護保険と公的年金に加入します。「国民皆保険」「国民皆年金」といわれるこの制度によって、病気やけがをしたときには加入している医療保険から医療の給付を受け、年をとったり障害が残ったり死亡したときには公的年金の給付を受けることができるのです。
(イ)医療保険
退職した後、加入する医療保険には3つの選択肢があります。それぞれ条件があるのであてはまるかどうか確認してください。なお定年退職したかたは、老齢や退職による公的年金を受け取り始めると、さらに2つの選択肢があります。あてはまるものの中からどれを選択するかについては、保険料の計算方法などが異なっていますので、比較して有利になる制度を選択しましょう。
| 選択肢 |
条件 |
保険料 |
医療費の自己負担割合 |
| 【1】在職中加入していた健康保険を任意で続ける(=任意継続被保険者) |
など
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在職中の2倍 ※ただし一定額以上の場合は上限あり |
- ●3歳未満:2割
- ●3歳以上70歳未満:3割
- ●70歳以上:1割(高所得者は3割)
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| 【2】家族の健康保険の被扶養者になる |
- ●年収要件を満たしていること(60歳未満:130万円未満、60歳以上:180万円未満)
など
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負担なし |
| 【3】国民健康保険の一般被保険者になる |
【4】の条件にあてはまる人は【4】へ
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前年の収入等から計算 (地域によって異なる) |
| 【4】定年退職者の場合:国民健康保険の退職被保険者になる |
- ●厚生年金などに20年以上加入していたこと
- ●公的老齢年金を受け取っていること
など
※条件に該当する場合、必ず手続きする。
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前年の収入等から計算 (地域によって異なる) |
| 【5】定年退職者の場合:特例退職被保険者になる |
- ●在職中の健康保険組合が特定健康保険組合であること
- ●厚生年金などに20年以上加入していたこと
など
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健康保険組合の全被保険者の平均の2分の1以下 |
(ロ)介護保険
40歳以上の人は、原則として医療保険とセットで介護保険にも加入します。介護保険料は、65歳になるまでは医療保険と同様の基準で計算された額を医療保険とセットで徴収されます。65歳以上の人は、市区町村が決めた所得別の額を、原則として公的年金から天引き徴収されます。
(ハ)公的年金制度
本人または配偶者が20歳以上60歳未満の場合は、国民年金に関する手続を行います。
- (a)退職後しばらく無職(またはアルバイト等)の予定の場合
- 保険料は月額13,860円(平成18年度価額)です。市区町村役場の国民年金課に年金手帳を持って行き手続します。扶養している配偶者がいる場合は、配偶者も同様の手続を行う必要があります。なお、ご自身が60歳で定年退職した場合で配偶者が60歳未満の場合も、配偶者はこの手続を行う必要があります。定年退職するまでは、配偶者は「第3号被保険者」となり保険料はかかりませんが、定年退職後は60歳未満の配偶者は「第1号被保険者」となって保険料を月額13,860円負担することになります。なお、国民年金保険料は平成19年4月から280円アップして14,140円になる予定です。
- (b)退職後、勤めている配偶者に扶養される場合
- 保険料はかかりません。配偶者が会社員や公務員でその配偶者に扶養される場合には、性別に関係なく「第3号被保険者」となります。配偶者の勤務先に被扶養者であることを届け出て、配偶者の勤務先に手続きしてもらいます。
なお、公的年金の受給については、ライフイベント「年金生活/チェックポイント『4.公的年金は何歳からもらえるの?』」をご覧ください。
(2)住民税
住民税は、その年の所得金額に基づいて計算され、翌年6月に税額が決定し、納税します(退職所得は除きます)。具体的には、たとえば会社員の場合、その年の所得金額に対してかかる住民税は翌年の6月から翌々年の5月にわたって納税するしくみになっています。いいかえると、会社に勤めている間の住民税は、12分割された額を翌年から翌々年にかけて給与天引されて納めているわけです。
退職する場合は、その時点で給与天引されている年の分(前年、あるいは前々年の分)の住民税残額を次のいずれかの方法で納めなければなりません。まず、最後に受け取る給与や退職金から一括天引して納める方法があります。転職する場合は、転職後の勤務先に申し出て転職後の勤務先でその住民税の残額を給与天引してもらえる場合もあります。これら以外の場合は、住民税はご自身で金融機関等を通じて納めることになります。
なお、退職した年の所得にかかる住民税は、翌年6月に税額が決定されます。たとえ翌年時点で収入がなくても住民税納付が生じるため、あらかじめ納税資金を確保しておくことが必要です。
この項の著者:鈴木明美(2004年1月掲載・2006年2月改訂)
(株)東京ファイナンシャルプランナーズ 社会保険労務士・AFP認定者
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